「環境問題とは何か」  富山和子 著
 
(まとめ)

序章   環境問題の量と質


1. おびただしい種類の環境汚染が顕在している。
2. 「地球環境と生命との関係」の本質的な理解はできていない。
3. 「汚染原因の量」と「汚染される側の量」の相関関係を知る。
4. 汚染されるj側の量が少なくなることは、汚染以前の重篤な問題。
5. 享受する環境は、農林業従事者による「量の維持」の恩恵。
6. 維持活動の内容と犠牲、更には弊害をも知った上で環境を語れ。
7. 水は土から生まれる。その土は日本の場合、人間が作っている。
■汚染される水や土そのものが無くなるという危機感が無い。
  
第一章   自然に対する思い違いをしていないか

1. その昔、山には生活できる経済連鎖があり、賑やかだった。
2. 平野の土地は自然にできた訳ではない。人間が作り続けている。
3. 日本列島の木はオーバーストック。整備されればの話。
4. S31年木材自由化に伴い、国産材単価が落ちて林業崩壊。
5. 熱帯雨林伐採は、諸外国と日本の森林を同時破壊。
■自然のサイクルとしての農林業の営みはほぼ完成していた。

第二章   森林はなぜ大切か


1. 森林の多様な公益的機能は、新エネルギーを代替しうる。
2. 水を作るのは土、土は森林が作り、森林は人が作る。
3. 日本では水田を守るためにも、木を伐っては植えてきた。
4. 人は大自然の食物連鎖の、消費生産に参加している。
5. ゴミを出さない文化と、使い捨ての文化、日米ーの違い。
6. 割箸問題では、勉強不足で正反対の言動が一人歩きした。
7. 8億本ほどの間伐で、森林は守られるが、手だてが無い。
■木→土→水→食→人という生命連鎖は、完成していた。

第三章    木を植える文化の国

1. 水を生む土壌も、人が管理しなければ雨で流される。
2. 他国とは比較にならない、急峻な地形で集中豪雨の国。
3. 土を作り斜面に堆積させる為にも、木を植える文化。
4. 土を急斜面に留める治山砂防は、世界に冠する量と質。 
5. 日本の川は歴史を超えて全域が管理されてきた事実を知る。
6. 杉の単一種樹林が広葉樹林に劣るという非科学的な誤解。
7. 長い歴史の試行錯誤と知恵によって森林は成り立っている。
■日本だけが木を植える文化を維持してきた理由を知ろう。

第四章    日本人はいつ頃から木を植えてきたか


1. 縄文の昔から造林、木の文化、米の文化を展開してきた。
2. 時の政治によって、森林は栄枯盛衰を繰り返してきた。
3. 急峻な日本では、森林がなければ米(主食)の生産ができない
4. 水田は「結・もやい」によって成り立つ。畑とは全く違う。
5. 利水にも治水にも大量の木が必要なため、植林してきた。 
■水稲文化を維持するために、経験的に植林は必須だった。 

第五章     水問題を考える


1. 降った雨をしなやかに受入れ、土に「返す」という思想。
2. 農林業は水を生産・リユース・リサイクル。都市は消費のみ。
3. 水不足による溜池建設の残土リサイクルで、平野に古墳文化?
4. 都市の地下水汲上げによる地盤沈下を、水田浸透水で緩和。
5. 都市化による水の汚染と治水面積の減少被害を農業が負担。
6. 過酷な自然の一部として、有機的に同化してできた日本の農業。
7. 水を生む、日本の面積の七割を占める森林は人が作ってきた。
■自然の摂理を乱さず人の役に立つ水利構造の基本を知る。

第六章    「持続可能な開発」 とは何か ー 自己完結型社会

1. 誤解(ダムに溜まる土砂は砂・砂利であり、優秀な天然資源。)
2. ダムの上流域の森林整備と、その維持管理の共同体社会が必要。
3. 水が無い場所、緑が無い場所、土が無い場所、それは砂漠。
4. いかにして上流斜面に土壌を留まらせるかが、文明維持の基本。
5. 水は自然に湧いてくる、という都市住民の情報音痴と勘違い。
6. 水源税が潰され、教科書から林業が消える日本の、意識の低さ。
7. 土壌の歴史はオゾン層の完成から。逆行するオゾン層破壊。
8. あらゆる経済活動は身土不二に逆行し、破壊に向かっている。
9. 欧米では化石燃料ゼロ運動で、木質BMEgが実用化されている。
10. 化石燃料とバイオマスは、将来関連費用をトータルで比較。
11. 「持続可能な開発」とは、ひと昔前の日本の農林業がお手本。
12. 自己完結型の生活構造で、土壌を、水田稲作文化を守る。
■目先ではなく長期的な人類利益を考えるべき。

第七章    環境問題を考える姿勢

1. 水田がダムであることに気づくレベルの問題意識と感性。
2. 日本には、人間が関与しなかった無垢の原生林などは無い。
3. 議員は国民のみならず国土全体の代弁者。面積当たりに是正。
■視点の変え方、常識の裏付・検証。(人間:地球=心:身体)

 
第八章    環境問題の終着駅、海

1. 根釧原野のパイロットフォレストが漁民の森の元祖。
2. 日本の造林による農地や海を蘇らせる技術は、海外にも貢献。
3. 国有林独立採算制累積赤字の原因への考察にやや誤解?
4. 失業対策による森林整備の結果の、水と安全。タダではない。
5. 漁民の森は所詮ボランティア。政府が眺めていては国土崩壊。
6. 過疎、高齢化、貧困化により、森林維持管理後継者がいない。
7. 海の汚染を無くす漁民の戦いが、森林を水を農業を守る。
8. 海・土壌を守る農林水産業者を守り、身土不二を守ること。
■一次産業は自然の生態系に順応しており、守るべきシステム。

あとがき

1. 環境の世紀は日本人の出番。水と土を足下から見直せ。
2. 野外体験の不足からか、言葉が理解できない世代が台頭。
3. 戦争体験世代しか、環境問題を正しく伝えられないのか。
■二次産業以降の人類経済の過ちを矯正することは難しい。
 
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